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関西の公園と庭園

来日する観光客の多くは、日本を紹介する観光関連の本やパンフレット、WEBサイト等に「日本には四季がある」と書かれていることに驚きます。このフレーズは頻繁に使用され、しかも日本特有の現象のように書かれているからです。

日本の人たちが言いたいことは、日本の四季は他の国よりも顕著であるということです。それはまるで、季節が何かの合図で変わるかのように。冬が終わると、暖かい日差し、青い空、桜が咲き始め、次の季節へと移行します。そして三ヶ月もすると、夏がやってきて日焼けが可能な季節になります。そして次は、木々が赤、金、オレンジ色へと変化し、その後、葉が落ち、冬が到来するのです。これは、日本のユニークな風景です。

日本の四季を経験するのに、関西エリアは良い場所です。関西の公園と庭園は、楽しく、アクセスもしやすいです。関西地方には100を超える伝統的な庭園があり、その中には重要文化財や国の名勝に指定されているものもあります。関西でぜひ見ていただきたい場所は、以下のとおりです。

龍安寺

世界でも有名な庭園の1つは、京都にある龍安寺の石庭です。1450年、臨済宗の禅寺としてつくられました。周囲には古い壁があり、柔らかい緑のコケの上には15の面白い形の石があります。さらにその周りには、熊手で線をつけられた白い小石があります。これらは、何を表現しているのでしょう?その秘密は、禅の「公案」同様に、そこに座り、見つめ、深く考え、あなた自身でその意味を発見してください。

龍安寺

銀閣寺

そして、次に是非おすすめしたい禅の庭園は、1482年、八代将軍・足利義政によってつくられた京都の銀閣寺です。義政の祖父が隠居していた後に生活していた、本物の金で覆われた金閣寺とは異なり、銀閣寺は銀ではありません。

背の高い生け垣に囲まれた50mほどの砂の通路を通って、中へ入ります。あなたを外の世界から遠ざけるだけではなく、頭も心も浄化されるでしょう。入場券はあなたの家と家族を守るお守りの役割を果たしますので、安全に保管してください。ここで、最初に気づくのは、その静けさです。金閣寺よりもはるかに人が少ないので、銀閣寺では禅のような雰囲気を体感することがでるでしょう。注目して欲しいのは、銀閣寺と同時期に建てられた国宝・東求堂です。小さくてシンプルでありながら、エレガントな木造の建物です。

観音殿・銀閣寺の周囲には、古くからの建物が数多く残っています。銀閣寺の目の前には美しい池があります。その北側には「銀沙灘」と言われる白砂の庭と「向月台」として知られる巨大な砂の円錐があります。そして銀閣寺には、豊かな緑の苔、岩、滝、池、橋の庭園があり、池の周りを歩いて楽しむことができます。展望所からは、庭全体のパノラマの景色を楽しんでください。

素晴らしい風景・無鄰菴

山縣有朋(1838-1922)は、重要な日本の政治家であり、軍事指導者でした。彼は下級武士の家に生まれました。日本の封建時代を終わらせた戊辰戦争では軍を指揮し、2度、総理大臣に選出された人物です。彼はまた、才能豊かな作庭家であり、彼の別荘だった京都の無鄰菴をはじめとする数々の素晴らしい庭園を手がけました。

無鄰菴は、1894年から96年にかけて造られたもので、庭園、母屋、洋館、茶室で構成されています。母屋、洋館は一般公開されており、そこからは庭園も楽しむことができます。洋館は「無鄰菴会議」が開かれた場所です。山縣のほかに、元首相・伊藤博文、外務大臣・小村壽太郎、桂太郎首相が参加し、それは日本の東アジア外交の方針を決定づけるもので、歴史的に重要な出来事でした。

多くの伝統的な日本庭園は、池を海に、岩を島に見立てたものですが、無鄰菴は少し違い、東山につながる里山の風景や琵琶湖疏水を用いた躍動的な流れが、季節ごとに変化するダイナミックなシーンを作り出す庭園です。無鄰菴は、1951年、日本の名勝に指定されました。

無鄰菴 ©植彌加藤造園

他にも

福井県福井市の養浩館庭園も素晴らしい庭です。福井駅から徒歩圏内にあります。ここには武家庭園と屋敷があり、その地域をおさめていた松平氏が福井城の外堀に建てたものです。美しい屋敷と、その屋敷からの素晴らしい景色を季節問わず楽しむことができます。

大阪・堺市にある大仙公園は、世界遺産に登録されている仁徳天皇陵に隣接しています。伝統的な庭園は、堺市の歴史、そしてかつて国際的な貿易港だった堺市のイメージを表現しています。
京都から北へ1時間のところには、日本の秘密の場所の一つ・大原三千院といくつかの美しい日本庭園があります。その一つが、客殿の庭園・聚碧園です。そして宸殿から往生極楽院を眺める有清園もあります。ここは青苔に杉や檜などの立木が並びます。滝もあり、その水は池へと流れます。そのほかにも、三千院の広い敷地の中には、数千株もある「あじさい苑」や観音堂近くには石庭もあります。弁天池の近くには、緑の苔の中にたたずむ石の地蔵もあり、三千院へ行けば、日本らしい風景を堪能することができます。

養浩館庭園

松花堂・弁当の中にある四季

日本各地で販売されている松花堂弁当。これは、中世の時代にいた松花堂昭乗という僧侶の名前からとったと言われています。松花堂は、茶道、書道、墨絵、和歌の達人でした。

京都近郊の静かな場所にある松花堂庭園と美術館は、松花堂昭乗によって作られました。ここは4つに区切られた松花堂の弁当箱のように、この庭園でも4つの季節を感じることができます。
松花堂には、40種類の竹、約300本の椿、梅、桜、楓、もみじ、そして古典的な茶室もあり、最高の景色です。隣接する美術館には、松花堂昭乗の書や絵画などが展示されています。

万博記念公園

970年に「人類の進歩と調和」をテーマにした、アジア初の万国博覧会(大阪万博)が大阪で開催されました。日本は高度経済成長を遂げ、先進的な未来の技術リーダーであることをこの大阪万博で披露し、大成功をおさめました。

大阪万博は、77か国、32の日本企業、組織等が参加し、約330haの敷地内に、計116のとてもクリエイティブなパビリオンがつくられ、1970年3月15日から9月13日までの183日間で約6420万人の来場者が訪れました。(これは2010年の上海万博までの最多記録でした!)各パビリオンでは、月から持ち帰られた石、ワイヤレステレフォン(携帯電話)、ローカルエリアネットワーク(インターネット)、さらにはリニアモーターカーなどの技術も披露されました。

それは未来的で、魅力的で、楽しかったし、素晴らしいものでした!そして、この素晴らしい大阪万博は、あっという間に終わってしまいました。その後、大阪万博会場は、万博記念公園として整備されました。大阪万博のテーマ館の一部として建てられた高さ約70mの太陽の塔は、著名な芸術家・岡本太郎によって制作されたもので、現在は万博記念公園のシンボルとして来園者をお出迎えしています。この太陽の塔は、2018年に改修され、大阪万博当時の展示物を再生・修復し、内部が一般公開されています(予約制)。現在、万博記念公園は、大阪万博関連の資料や写真、記念品を展示するEXPO’70パビリオン、スポーツおよびレクリエーション施設、万博記念競技場、大阪日本民芸館、国立民族学博物館など、さまざまな施設があります。 また、長さ300mに渡り豊かに成長した森を立体的に観察できる森の空中観察路「ソラード」、芝生エリア、池の他、園内各所には季節の花が咲き誇ります。

万博記念公園・日本庭園 ©大阪府

万博公園にある26haの日本庭園は、日本の造園技術の粋を集めて造られた名園で、日本政府が出展しました。4つの時代を体感できるのが特徴で、上代(平安時代、8〜11世紀)、中世(鎌倉時代・室町時代、12〜16世紀)、近世(江戸時代、17〜19世紀)、現代(明治以降、20世紀から)の庭園が融合しています。これは、本当に魅力的です。日本の武士や寺院の庭園に興味がある人には必見のスポットです。

日本の象徴的な桜、関西のトップスポット

京都の桜の景色は、絶対に見なければなりません。でも、他にも関西には素晴らしい場所が多くあります。大仏のある東大寺興福寺など、ぜひ見て欲しい多くの寺院や神社の近くにある奈良県の奈良公園では、古代の雰囲気と季節の美しさを楽しんでください。
奈良公園には、人懐っこい約1,200頭の野生の鹿が生息しています。食べ物を持っているときやピクニック、お花見のときには、蟻よりも、人懐っこい鹿に注意が必要です。

奈良公園 ©奈良市観光協会

奈良の慈光院は、奈良の三大名園の一つと言われています。大和郡山にある慈光院は、1663年、武将・片桐貞昌によってつくられました。シンプルで、穏やかで、印象的な広い庭と周囲の大和平野を楽しむことができます。小道を通って立派な門をくぐり、武家屋敷のような構造の部屋、そしてそこから眺める広い庭の景色は忘れられないものとなるでしょう。

吉野桜は、桜の中でも最も高く評価されているものの一つとして知られています。奈良県の吉野は、3万本を超える桜の木が山腹を覆っています。このエリアは秋の紅葉でも有名で、春と秋には観光客で賑わいます。

城の庭園

姫路城二条城は、どちらも世界遺産に登録されています。その城にある伝統的な庭園は、見事な桜で有名です。 二条城の庭園は、何世紀にもわたって皇室、将軍、大名たちに愛されてきました。封建時代から残っている歴史的建造物はもちろん、その建物から見る庭のそれぞれの景色、そして庭から見る美しい建物とのコラボレーションも、是非、楽しんでください。

大阪城公園も、素晴らしいお花見スポットです。毎年、春になると多くの人が桜を楽しみます。そのほか、関西エリアにある多くの城や城址でも春になると多くの人が訪れ、桜を楽しみます。

その他のスポット、その他の季節

関西エリアには、他にも多くの魅力的な公園があり、一年中、花を楽しむことができます。兵庫県小野市のひまわりの丘公園には、夏になると38万本以上のひまわりが咲きます。そして秋には、380万本のコスモスの花を楽しむことができます。

鳥取県で人気の「とっとり花回廊」は、日本最大級のフラワーパークの1つです。チューリップ、バラ、サルビアなど、さまざまな花を一年中、楽しむことができます。大きなドーム型の温室は、季節を問わず、たくさんの花を咲かせます。数々の花と冬のイルミネーションは、冬の魅力を倍増させます。

とっとり花回廊 ©鳥取県

大阪・堺市の「ハーベストの丘」は、季節の花とさまざまなアクティビティが楽しめる花いっぱいの楽しい農業公園です。

兵庫県・淡路島にある明石海峡公園は、海沿いにあるレジャーガーデンであり、庭、花、造園を楽しむことができます。庭は一年中、季節の花を楽しむことができるように設計されています。春は水仙とチューリップ、夏はヒマワリ、秋はコスモス、冬はクリスマスローズが見られます。

淡路島国営明石海峡公園

関西の公園と庭園で四季を楽しむ

春のシンボリックな花、夏の青々とした緑、秋の鮮やかな色、葉が落ちた冬の風景。 日本人が、自分たちの国には四季があるということを特別だと思っているというのも、不思議ではありません。

関西エリアの素晴らしい庭園や公園の多くは、日本の四季を楽しむことができるようにつくられています。だから、関西エリアを訪れれば、日本の素晴らしい庭園や公園だけではなく、日本の素晴らしい季節(四季)も楽しむことができるでしょう。

※この内容は、オリジナル英文を翻訳した文章です

Writer

Chris Glenn

クリス・グレン ライター / インバウンド観光アドバイザー

オーストラリア出身。93年より名古屋市在住。
英語と日本語を使いこなすバイリンガル ラジオDJとして活躍するほか、日本の魅力を語る外国人としてNHK「ブラタモリ」などテレビ出演も多数。オーストラリアではコピーライターとして活躍し、10,000本以上のCMを手がけた。

近年は、訪日外国人の受け入れ環境整備、地域の魅力の掘り起こしと磨き上げ、外国人目線での情報発信に関するアドバイス等を行う、インバウンド観光アドバイザーとしても活躍中。外国人のニーズやセンスにマッチした英文ライティングにも定評があり、観光関連の情報誌や自治体、DMO等の運営するWEBサイトへの執筆も多数おこなっている。

著書に「城バイリンガルガイド」(小学館)、「豪州人歴史愛好家、名城を行く」(宝島社)、「The Battle of Sekigahara」(英語版)がある。